【溶けゆく日本人】指導の手段 失う教育現場

2007/05/29 産経新聞  関東地方の中堅私立大学で講壇に立つ佐々木和子教授=仮名=はこの4月、新年度最初の講義で学生たちに念を押した。  「ここは、学校という教育の場。私たちはお友達ではありません」  教える者と教わる者…両者の間の“境界線”が消失しつつある、そう感じていたからだ。「教授を『さん付け』で呼ぶ学生がここ2、3年で顕著に増えた。長年の信頼関係があるわけではない。初対面や短期間の付き合いで、そう呼ぶ風潮には非常に抵抗があります」  休み時間に研究室や教職員用のロビーを訪れた学生から「○○さん、いますか」と声をかけられることは希有(けう)ではなくなった、という。論文を引用した研究者名や、課題レポートの表紙に書く担当教授名を「○○さん」と書く学生が出現し始めた。「あだ名」が書かれていたこともある。普段、突飛(とっぴ)な行動が目立つわけではない。ごく普通の学生たちだ。そのたびに「○○先生でしょ」と注意しているが、不満げな表情が返ってくることも少なくない。  「いわば『友達感覚』。上下関係という規範意識よりも、親しみを表す方が優先順位が高いのだと思う。学生からすれば『私たちの仲間に入れているのになぜ距離を置くのですか』という気持ちかもしれません」  佐々木教授は「先生」という言葉が連想させる上下関係を回避したがる学生の心中を推し量る。そんな風潮を、良かれと笑って受け入れる教授もいる。だが、どうしても違和感がぬぐえないという。  「将来社会に出て不利益を被るのは本人。私自身は、指導教授を『さん付け』で呼ぶことは一生ないでしょう」 ◇  「先生も生徒も平等だろう」  荒廃した教育現場をリポートした『公立炎上』(光文社ペーパーバックス)の著者で、現役高校教諭の上田小次郎さんは数年前、たばこを吸っていた生徒に注意した学年主任が、そう反論されたことが印象に残っているという。言うまでもなく未成年には許されないこと。だが、納得できる説明を求める生徒側と問答が続いた。  「注意されてもなかなか自分の非を認めずに『指導法が悪いから』『そんなに怒らなくても』と反論してくる。教師の、大人の権威は薄らぎ、生徒たちの平等意識は強くなっています」と上田さん。反論の余地を与えないために、現場の教師は生徒を叱(しか)る際、これまで以上に気を使う。女性教師は、髪の色や化粧もできるだけ地味にするよう神経を磨(す)り減らすという。  小学校の現場からも、類する声が漏れ聞こえてくる。  目の前で教師が率先して掃除を始めると、以前なら「先生がやっているからやらなきゃ」という子供が大半だったが、最近は「先生がやっているからいいや」と傍観する(神奈川、高学年)▽授業中に教室を離れようとしたので注意すると、「先生だってやっているじゃないか」といわれた(東京、高学年)…。  「『大人がやってもいいことは子供もやっていい』…そんな意識の子供が多く、『大人には許されても、子供はまだダメ』というかつての論理は通用しにくくなった。子供たちが対等な意識で接してくるとは思っていないベテラン教師ほど、その戸惑いは大きい」  東京都内の元公立小学校長はそう打ち明ける。 ◇  学校の地位低下が叫ばれて久しい。「教師より高学歴の親が増えたこともあり、家庭と学校の地位は逆転している。親は教育への不満を学校にぶつけ、子供の前でも教師の悪口を言うようになった」と、武庫川女子大学の新堀通也名誉教授(教育社会学)。言わずもがな、子供が教師を見る目も変わる。  だが、教員側の問題点を指摘する声も少なくない。40年以上の小学校教員経験を持つ川嶋優・学習院名誉教授は毎年夏、新任の小学校教諭を集めた研修会で講師を務めている。40人ほどの参加者のうち毎回4、5人ほどが「学級崩壊寸前です」とSOSを発するという。まだ1学期が終わったばかり。「なぜか」と思い教育方針を尋ねると、判で押したように「子供を信じ、友達のように仲良くしたい」「一人一人の個性、自主性を尊重したい」といった答えが返ってくるという。  川嶋名誉教授は戦後の教育現場で進められた「行きすぎた平等主義」の弊害を痛感している。  「『指導』を『支援』と言い換えたり、教壇も取っ払ったりして、教育やしつけに欠かせない上下関係を自ら放棄してしまった。ルールを教えることは軽んじられ、個性や自主性ばかり重視される。今、困ったときに子供がすがれるような頼りがいのある先生や大人が、果たしてどれだけいるのでしょうか」 (海老沢類) ◇  《メモ》文部科学省所管の財団法人「日本青少年研究所」と、一ツ橋文芸教育振興会が平成16年、日本と米中韓の4カ国の高校生各約1000人を対象に行った生活・意識調査によると、「先生に反抗する」ことを「よくない」と回答したのは、韓国(81.1%)、中国(68.7%)、アメリカ(54.3%)に対し、日本は25.1%で、4カ国中最も少なかった。また、「(先生に反抗することは)本人の自由」という回答は日本では51.4%。アメリカ(30.1%)、中国(18.2%)、韓国(11.4%)に比べて突出して多かった。

 

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